「バフェットがS&P500を全売却」「Apple株も大量売却」というニュースを目にして、こんな不安を感じていませんか?
✓ 米国株はこれから暴落するのか?
✓ 自分も保有株を売却すべきなのか?
✓ 投資の神様が見限った市場に、まだ投資を続けて大丈夫なのか?
本記事を読めば、以下のことが明確になります:
投資の世界に衝撃が走っています。S&P500が過去最高値の6100ポイントを突破し、米国株式市場が絶好調の最中、様々な売却ニュースが飛び込んできました。本記事では、その真相を徹底的に分析し、個人投資家が本当に取るべき賢明な判断について解説していきます。
2025年の年初から、S&P500は一時的な調整を経ながらも、着実に上昇を続けてきました。トランプ大統領就任後は比較的堅調に推移し、ついに6100ポイントという新たな高値を記録。多くの投資家が強気な展開を予想する中、バフェットは異なる判断を下したのです。
さらに注目すべきは、バフェットによるApple株の大規模な売却です。2024年、バークシャー・ハサウェイは4月から6月の間にApple株を49%売却。さらに7月から9月の間に25%を追加で売却し、実に1年もかからずに保有株式の3分の2近くを手放しました。
加えて、ポートフォリオの第2位を占めていたバンクオブアメリカの株式も2割を売却。これらの動きは、バフェットが何らかの重要な投資判断を下したことを示唆しています。
これら一連の売却の結果、バークシャー・ハサウェイの現金保有額は驚異の50兆円にまで膨れ上がりました。この額は1年前と比較して2倍以上に増加しています。
過去を振り返ると、2008年のリーマンショックやコロナショックからの回復期である2022年には、バークシャー・ハサウェイの手持ち資金は減少していました。これは株価下落時に積極的な買い入れを行っていたことを示唆しています。
この売却の詳細は、機関投資家の保有銘柄動向を追跡できるDataromaというサイトで確認することができます。DataromaはSECへの開示データに基づいており、高い信頼性を誇ります。
2024年第4四半期の決算で明らかになったところによると、バークシャー・ハサウェイはS&P500に連動する2つの主要ETF、SPYとVOOを完全に売却しました。
ここで重要なのは、バークシャー・ハサウェイの投資ポートフォリオの全体像を理解することです。2024年8月時点で、同社のポートフォリオは極めて集中度の高い構成となっていました。
トップ銘柄であるAppleは全体の約30%を占め、第2位のバンクオブアメリカが14.83%、第3位のアメリカンエキスプレスが12.67%、第4位にコカコーラと続きます。これら4銘柄だけで、バークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオの65%を占めていたのです。
しかし、ここで極めて重要な事実が明らかになります。Dataromaのデータによると、売却されたSPYとVOOは、それぞれバークシャー・ハサウェイのポートフォリオのわずか0.01%ずつ、合計でも0.02%に過ぎませんでした。
この数字を具体的に説明すると、仮に1,000万円の投資額なら2,000円相当ということになります。もちろん、バークシャー・ハサウェイの規模では、0.02%といえども約80億円という大きな金額になりますが、売却されたETFの純資産総額が80兆円であることを考えると、市場への影響は限定的だったと考えられます。
バフェットは本質的にバリュー投資家です。割安な銘柄に投資し、値上がり益で収益を上げることが、彼の投資手法の根幹にあります。
実際、2024年5月の株主総会では、Appleについて「極めて素晴らしい事業であり、2024年末時点で最大の保有株である可能性が極めて高い」と評価していました。しかし、バフェットは株主総会で「良い玉が来た時しかバットは振らない」とも明言しています。この発言は、現在の株価水準が割高だと判断した可能性を示唆しています。
現在のアメリカの債券金利は5%近くにまで上昇しています。為替リスクを考慮する必要のないアメリカの投資家にとって、元本が保証された債券投資は魅力的な選択肢となっています。
株価が高値圏にある現在、利益を確定し、より割安な投資機会を待つという戦略は、バフェット流のバリュー投資の観点からは理にかなっているといえます。
株価下落局面での大量売却は、「バフェットショック」として市場に大きな影響を与える可能性があります。株価上昇期に、他の大手投資家も売却を進めている時期を選んで売却することで、市場への影響を最小限に抑えようとした可能性があります。
先述の通り、今回のS&P500関連ETFの売却は、ポートフォリオ全体からみればわずか0.02%でした。バークシャー・ハサウェイの2024年秋頃の株式運用総額は約40兆円。この規模から見ても、今回の売却が「米国株は終わり」というメッセージを発しているとは考えにくいでしょう。
現在94歳のバフェット。驚くべきことに、コカコーラを愛飲し、6歳のような食事習慣を持ちながら、なお健康を保っています。しかし、年齢を考えれば、後継者へのバトンタッチを視野に入れた戦略である可能性も否定できません。
バフェットは妻への遺言で、「遺産の10%をアメリカの短期債権に、90%をS&P500に投資すること」と伝えていました。一見すると、今回の売却はこの助言と矛盾するように見えます。
しかし、この「矛盾」には重要な意味があります。妻への助言は「投資のプロではない人」への推奨であり、バークシャー・ハサウェイでの投資判断とは、本質的に異なるものなのです。
バークシャー・ハサウェイは公開企業であり、株主からの期待に応える必要があります。株主がバークシャーに投資する理由は、バフェットの卓越した目利き力と、それによってもたらされる高い投資リターンにあります。
インデックスファンドは、個別株ほど価格変動が大きくないため、割安な時に買い、割高な時に売っても、個別株投資ほどの収益を上げることは困難です。そのため、バークシャーは高値でETFを売却し、次なる投資機会に備えているのかもしれません。
特にSNSを中心に、投資情報の一部だけが切り取られて拡散されることが頻繁に起こっています。例えば、2024年12月末には「新NISAが実際半分売却された」というニュースが話題になりました。日経新聞電子版によると、2024年に26兆円のNISA購入に対して、13兆7000億円が売却されていたのです。
このような情報に接した時、最も重要なのは、情報源に直接アクセスして真偽を確かめることです。切り取られた情報だけで判断を下すことは、投資において非常に危険です。
バフェットのような投資の神様でも、投資判断には様々な背景があります。個人投資家がプロの投資手法をそのまま真似することは、かえってリスクを高める可能性があります。
特に「今は高いから売却しよう」「暴落中だから待とう」といった、タイミングを測る投資は非常に難しいものです。AIや機関投資家という強力なプレイヤーが存在する市場で、個人投資家が最適なタイミングを見つけることは極めて困難です。
『普通の人が資産運用で99点を取る方法とその考え方』という本では、投資が趣味でない、時間もかけられない人がとるべき方法として、「低コストインデックスに長期分散投資すること」を推奨しています。
我々個人投資家は、投資という大海原の中では、機関投資家という巨大なクジラに比べれば小魚のような存在です。それぞれの生態系に適した生存戦略があるように、個人投資家にも適切な投資戦略があるのです。
バフェットによるS&P500の売却は事実ですが、それはポートフォリオのわずか0.02%に過ぎません。また、バークシャー・ハサウェイはバリュー株投資を主軸とする投資会社であり、その投資判断を個人投資家が模倣する必要はありません。
長期インデックス投資家にとって重要なのは、こうしたニュースに一喜一憂せず、「ふーん、そんなこともあるのね」程度の反応で済ませることです。投資行動を変える必要は全くありません。
高値で買いたくない、暴落中に安値で買っても更に下がるのが怖い、といった感情に振り回されると、長期の資産形成は困難になります。投資という荒波の中で生き抜くために必要なのは、ぶれない投資哲学と堅実な姿勢なのです。
様々な誘惑が襲ってくるのが長期投資の難しいところですが、そんな時こそ自分なりの投資ポリシーを忘れずに、淡々と投資を継続していくことが、個人投資家にとって最も賢明な選択といえるでしょう。
【注意事項】本記事の内容は、投資の成果を保証するものではありません。投資には損失を被る可能性もあります。最終的な投資判断は、必ずご自身の責任で行ってください。
大学卒業後、トヨタ車体株式会社入社
部品調達・物流・生産・設変管理を経験後、独立起業
2023年Weaps株式会社立ち上げに伴い、代表取締役就任
自身の経験を交えながらトヨタ生産方式(TPS)の導入および専用のWebアプリケーションを通じて企業の生産性向上を行っている。
ビジネスだけでなく投資・政治経済・ヘルスケアなど幅広い分野に精通しており、これらの知見を活かしブログでは生産性向上や資産形成、時事問題から健康管理まで、実用的な情報を発信中。